[2025_11_26_12]13年かかった『原発再稼働“容認”』是非に言及しなかった泉田裕彦氏と米山隆一氏 歴代の新潟県知事は今、何を思うか【東京電力 柏崎刈羽原発】(BSN新潟放送2025年11月26日)
 
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13年かかった『原発再稼働“容認”』是非に言及しなかった泉田裕彦氏と米山隆一氏 歴代の新潟県知事は今、何を思うか【東京電力 柏崎刈羽原発】

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 東京電力・柏崎刈羽原子力発電所の7基すべてが停止してから新潟県知事が再稼働『容認』の結論を下すまで、実に13年の年月が流れました。
 この間、福島第一原発事故の検証を理由に再稼働の是非に言及してこなかった2人の元知事は何を思うのでしょうか?

 【画像】柏崎刈羽原発の『再稼働』を巡り歴代の知事は…

 「万が一事故が起きた時に、県民の生命・健康・安全・財産、これを守るのが知事職として一番重要なところだと思うが、残念ながらそこが十分できていないという結果での会見だったなと」

 2004年から3期12年にわたり知事を務めた泉田裕彦氏は、花角知事が『再稼働容認』を表明したことに対し、避難や原子力防災に当たる人らへの補償など、事故に備えた仕組みづくりが不十分なままでの決断だと指摘しました。

 「原発で作業されている人も多くいる、知見がたまっている新潟県でちゃんとやらないと、日本全国の原発全部同じリスクを抱えちゃう」

 福島第一原発事故翌年の2012年3月、当時新潟県知事だった泉田氏は再稼働議論の材料にするとして『福島第一原発事故の検証』を県の技術委員会に指示。
 新潟県の機関が他県の原発事故や問題を検証するのは異例のことでした。

 「事故の検証がなされない中で、再稼働を前提とした議論はいたしません」

 当初数カ月と見られた検証は任期中に終わらず、泉田氏が再稼働の問題に踏み込むことは有りませんでした。
 泉田裕彦氏が指示した『福島第一原発事故の検証』は2016年、米山隆一知事に引き継がれました。

 「〈福島第一原発事故の原因〉の徹底的な検証、〈原発事故が私たちの健康と生活に及ぼす影響〉の徹底的な検証、そして〈万が一原発事故が起こった場合の安全な避難方法〉の徹底的な検証の『3つの検証』がなされない限り、再稼働の議論は始められないという立場を堅持して対応する」

 泉田氏の路線を受け継いだ米山氏は『3つの検証』の枠組みを作りましたが、在職中に再稼働議論を始めるまでには至らず、『3つの検証』は花角英世知事へと引き継がれ、2023年に報告書が取りまとめられます。

 米山氏は今回の花角知事の判断に対し、「どんなものであれ、知事の決断には一定の敬意を表する」としたうえで、こう話しました。
 「私の感覚としては、決して実効性のある避難計画を示したものでもないし、私として賛同できる表明ではない」
 また、「検証は論点の列挙だけで何ら結論を出していない」とし、さらに、県が行った被ばく線量シミュレーションも不十分だったと指摘します。
 「まさに福島第一原発事故の検証ということですから、それとほぼ同規模の事故があった場合をすべきだったと思うし、それについてさらに交通も含めたシミュレーションもできるはずなのにしなかったので、検証はまったく進んでいなかった」

 新潟県の知事を務めた泉田裕彦氏と米山隆一氏の2人はいずれも、花角英世知事が『信を問う』方法として“県議会を選んだこと”に異論を唱えました。

 【米山隆一氏】
 「知事選や県民投票であれば『信を問う』という言葉にふさわしいやり方だと思うが、県議会に『信を問う』というのは、それはわからない。言葉としておかしい」

 【泉田裕彦氏】
 「新潟県には前例があって、巻原発をどうしますかという住民投票をやっている。ちゃんとやったことで、住民の知識レベルが上がっている。いざというときの対応力も上がるということだと思う。だから、やる意味はものすごくある」

 福島の原子力発電所事故以来、3人の知事が直面してきた再稼働問題。
 ついに踏み出された『容認』という一歩は、新潟県民の未来をどう変えるのでしょうか。
 新潟放送
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