[2025_11_29_02]新潟・長岡市長「違和感」 原発再稼働「県議会で信問う」知事判断に(毎日新聞2025年11月29日)
 
参照元
新潟・長岡市長「違和感」 原発再稼働「県議会で信問う」知事判断に

 10:52
 新潟県長岡市の磯田達伸市長は28日、東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を容認すると表明した花角英世知事が県議会12月定例会で信任を問うとしたことについて「違和感を感じる」と述べた。原発から5〜30キロ(UPZ)圏内で最大人口を抱える自治体のトップから出たこうした反応を花角氏がどう解消していくか、県議会での発言に注目が集まる。【木下訓明】

 新潟市中央区であった県市長会臨時総会後に報道陣の取材に答えた。

 臨時総会には花角氏も出席し、21日に発表した再稼働の容認表明について市長会に説明した。これを受け、市長会は、花角氏による再稼働容認の判断と、そのことを県民の直接投票ではなく県議会で「信」を問うとしたことについて「熟慮の上での重い判断。知事の判断を尊重する」などと議決。市長会の関口芳史会長(十日町市長)は総会後、報道陣に対し、この議決に対しての異議は「なかった。『そうあるべきだ』という意見しかなかった」と述べた。

 一方で、磯田氏は終了後の取材に対し、花角氏が県議会で信を問うとしたことについて「それで本当に信を問うという形になるのか。県議会がこの問題について責任を取っていけるのか、若干違和感を感じている」と言及。臨時総会では花角氏に対し、再稼働容認を政府に伝えるのは「もう少し時間をかけるべきだ」と注文したことを明らかにした。

 また、花角氏が容認の条件に挙げた電源三法交付金見直し検討など国に対する7項目の確認事項についても「それが本当にUPZの要望に沿ったものになるのか。『空手形』のようになっては全く意味がない」などと話し、確認事項の実現を国が確約しなければ再稼働の容認を伝えるべきではないとの考えを示した。

 「容認」認められない 運転差し止め訴訟弁護団

 東京電力柏崎刈羽原発の再稼働を巡り、花角英世知事が容認すると表明したことに対し、同原発の運転差し止めを求める訴訟の弁護団と脱原発弁護団全国連絡会は28日、「知事の判断を到底認めることができない」などとする声明を発表した。

 声明で弁護団は「福島第1原発事故による被災者の苦難がいまだに続いているこの時期に再稼働容認の判断を出す正当性は全くない」と指摘。県民意識調査の結果は、再稼働の条件が整っていないという回答が6割を占めるなど「再稼働を認めないという県民の意思は明らか」だとし、「司法の力で柏崎刈羽原発を止めるために、引き続き全力を尽くす」としている。【戸田紗友莉】
KEY_WORD:KASHIWA_:FUKU1_: