| [2025_12_10_07]青森県沖でM7.5の地震発生 原子力施設に重大な損傷はない模様 女川2号機は運転を止めるべきだ 山崎久隆(たんぽぽ舎共同代表)(たんぽぽ2025年12月10日) |
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04:00 ◎ 2025年12月8日23時15分頃、青森県沖でマグニチュード7.5と推定される地震が発生、八戸市で最大震度6強を観測するなど、東北地方を中心に広い範囲で揺れを観測した。 最も遠い地点では、三重県や滋賀県でも揺れを観測している。 再処理工場のある青森県六ヶ所村でも、震度5弱の揺れを観測している。 日本原燃によると、この地震の影響により再処理工場の使用済燃料受入れ・貯蔵建屋において、プール水が溢れていることを12月9日2時34分に確認した。この段階では約100リットルとしていたが、5時13分から回収作業を開始して9時30分までの間に約650リットルを回収したとしている。 その後は床面に放射性物質による汚染がないことを確認し、回収したプール水は、放射性廃棄物として廃液処理設備で処理する予定とのことだ。 溢れた水は燃料送出しエリアおよび燃料貯蔵エリアの床面に留まり、管理区域外への流出はなかったという。地震発生後もプールの水位は通常範囲内で推移しており、排気筒モニタおよびモニタリングポストの指示値に上昇は認められず、放射性物質の外部への影響や安全上の問題は生じていないとしている。(原燃プレスリリースより) ◎「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を初めて発表 気象庁は9日未明、今回の地震が「北海道・三陸沖巨大地震」の想定震源域の一部で発生したことから、運用開始後初めて「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表した。 この地震は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震想定域に影響を及ぼす位置で発生したモーメントマグニチュード(Mw)7.4であり、国の「日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震防災対策推進基本計画」が定める後発地震注意情報の発表基準を満たしたものである。 この情報の発表は、今後1週間程度、同規模の大規模地震が発生する可能性が平常時より相対的に高まっていることを意味する。 気象庁は、対象地域の住民に対し、最新の情報に注意し、速やかに避難できる態勢を整えるなど特別な備えを行うよう呼びかけている。大規模地震の発生確率は、平常時の約10倍に上昇している。 今回の地震により、北海道の根室沖から三陸沖にかけての巨大地震想定域では、Mw8クラス以上の地震発生の可能性が平常時と比べ相対的に高まっていると評価されている。 日本海溝・千島海溝沿いでは、Mw7から9に至る多様な規模の地震が繰り返し発生している。 中央防災会議によれば、北海道から岩手県の太平洋沿岸地域の津波堆積物の調査から、過去の最大級の津波は約300〜400年周期で発生しており、17世紀の津波から相当の時間が経過していることを踏まえると、この地域では最大クラスの津波を伴う巨大地震が切迫している状況にあるとされる。 (以上、ウエザーニュース、気象庁発表文より) ◎女川原発は今すぐ止めるべきだ 「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、この区域において巨大地震の発生が切迫していたうえに、さらに今回の地震の影響で発生する可能性が高まったとして発表された。その是否論はあるとしても、地震・津波の発生可能性が「従来から10倍高くなった」との評価を無視することはできない。 一方、女川原発では基準地震動は1000ガル、基準津波の高さは23.1mで評価されているものの、これを超える可能性も否定できない。 今回警告された「東北地方沖合のマグニチュード8を超える巨大地震」も、女川原発の再稼働審査において評価しているものの、だからといって発生しても問題がないわけではなく、評価においては発生しても放射性物質の閉じ込めは機能するというだけである。 しかし想定される巨大地震は東北地方太平洋沖地震よりも陸地に近く、津波も30mを超える規模になる場所があるとされるほどだ。東日本大震災では最大波高は岩手県宮古市田老の姉吉地区で40.5mとされている。これをも上回ると思われる。さらに津波の来る角度の違いがある。 現在、地震本部の長期評価によると、日本海溝沿いの超巨大地震(東北地方太平洋沖型)でM9.0程度は、現在ほぼ0%とされているが、青森県東方沖及び岩手県沖北部でM7.9程度が20%〜40%、ひとまわり小さいプレート間地震でM7.0〜7.5程度が90%程度以上とされている。 今回の地震は「ひとまわり小さいプレート間地震」であると思われるが、それが起きたということだ。 そうすると、次に同様の高い確率を示しているのは宮城県沖のM7.9程度が20%程度それよりもひとまわり小さいプレート間地震でM7.0〜7.5程度が90%程度、宮城県沖の陸寄りの地震(宮城県沖地震)でM7.4前後が80%〜90%である。 これらが示すのは、宮城県沖の地震発生可能性の高さである。 万一を考え、さらに東京電力福島第一原発事故を再来させないと本当に思うのならば、珍しくも、地震が起きる可能性が高いと警告できているところの原発は、直ちに停止させるべきである。 |
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