| [2025_12_10_06]たんぽぽ舎声明 2025青森県東方沖地震の発生で 女川原発2号機の即時運転停止と安全再評価の実施を要求する 巨大地震の発生切迫性が高まる中、「備えあれば憂いなし」 たんぽぽ舎(たんぽぽ2025年12月10日) |
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04:00 私たちは、東北から北海道沿岸域における地震活動の著しい高まりと、それに伴う巨大地震・津波の切迫性、および近隣の原子力関連施設で実際に物理的影響が確認された事実に鑑み、東日本大震災と福島第一原発事故の苦い教訓が繰り返されないよう、東北電力女川原発に対し、住民の生命と社会の安全を確保するための緊急措置として、以下の行動を直ちに実施するよう強く要求します。 1.事業者・東北電力への要求 ◎安全性確保を最優先した措置を実施してください。 東北電力は、自らの手で福島事故と同様の惨事を引き起こすリスクを回避するため、短期的な経済的合理性ではなく、住民の生命と財産の保護を最優先し、以下を実施してください。 即時的で長期継続した冷温停止措置を実施してください。 規制当局の指示を待たず、自主的に原子炉の運転を停止し、特に冷却機能と電源喪失の回避に重点を置き、最大限の安全対策を講じた冷温停止状態へ移行してください。 ◎緊急点検と設備補強を実施してください。 津波による電源喪失、地震による配管損傷といった福島で発生した事象を教訓とし、プール水の損失防止策、非常用電源の耐震・防水対策、主要配管・バルブの固定強化など、複合災害に対する物理的な脆弱性に関して直ちに再度点検・補強してください。 ◎情報公開の徹底をしてください。 地震による設備の異常発生状況や、実施中の対策について、迅速かつ透明性の高い情報公開を継続的に行ってください。 2.規制当局 原子力規制委員会への要求 ◎「想定外」という言葉は、もはや許されません。 規制当局は、住民の安全を守る最後の砦として、東京電力福島第一原発事故の記憶と教訓を胸に刻み、科学的根拠に基づき、以下を直ちに実行することを求めます。 ◎即時運転停止を要請してください。 女川原発2号機に対し、連続運転を直ちに中止し、炉心冷却と使用済燃料プールの保全を最優先する「冷温停止」相当の安全措置へ移行するよう要請してください。 ◎運転再開時には厳格な審査をしてください。 二度と東電福島第一原発のような事故を起こさないという決意のもと、外部の独立機関による包括的かつ透明性の高い安全再評価と、地震・津波に対する追加の物理的対策が完了するまで稼働再開をしないよう求めて下さい。 ◎独立した評価組織を派遣してください 地震学、変動地形学、津波工学、原子炉工学、リスク評価の専門家を含む独立した調査団を直ちに編成し、女川現地に派遣して現地調査と、今回の地震と想定される巨大地震の影響解析を実施させ、その結果を速やかに全て公開してください。 3.宮城県・女川町・石巻市及び周辺自治体への要請 ◎住民保護体制をさらに強化してください。 自治体は、福島第一原発事故で露呈した避難計画の限界を深く認識し、住民の不安解消と実効性のある地震・津波対策の準備に注力してください。 ◎避難計画の実地検証をしてください。 今回の地震及び、想定される巨大地震は、最も厳しい気候下で発生する可能性があるとされています。今後は最悪リスクを想定し、地震後の道路寸断や広範囲の津波浸水といった複合的な状況下で、原発が事故を起こす(仮に冷温停止中でも発災の可能性は否定できない)場合の避難について、それが実現可能なのかについて、改めて実地での検証と実働演習を緊急に実施してください。 ◎住民への情報発信を絶えず行ってください。 最新の地震学的知見や、原発の停止及び安全対策の状況に関連して「想定外をなくす」との視点で、正確かつ分かりやすい情報を住民に継続的に提供してください。 ◎住民の意見を反映してください。 避難については、気象のみならず地形や交通手段の限界からも、厳しくなる季節です。さらに防災計画自体が、実効性がないとの意見もあります。 国は屋内退避基準などを策定し、新たに施行する構ですが、実際に事故が起きれば地震や津波の影響で屋内退避どころではない被災が想定されます。 避難生活経験者を含む東日本大震災時の住民の意見や懸念が適切に反映されるよう、事業者や規制当局に対し強く働きかけてください。 4.住民の皆様へ 今回の要求は、短期的な電力供給や経済的な影響よりも、東日本大震災と福島第一原発事故で経験した、取り返しのつかない被害を未然に防ぐことを最優先するものです。 私たちは、すべての関係者が科学的根拠と倫理的責任に基づき、最善の判断を行うよう強く求め続けます。「備えあれば憂いなし」です。事故が起きてからでは遅すぎます。 巨大地震の発生切迫性が高まる中、原子力施設の継続稼働は、福島第一原発事故の教訓を無視し、不必要なリスクを社会全体に負わせる行為に他なりません。 女川原発は直ちに停止され、徹底した安全再評価を受けるべきであると考えます。 |
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