| [2025_11_27_05]中部電力 浜岡原発の安全対策工事で不適切事案 役員2人辞任(NHK2025年11月27日) |
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16:52 中部電力は、浜岡原子力発電所の安全対策工事をめぐって、社内の原子力の担当部門が適切な手続きをとらずに仕様変更を取引先に依頼し、正式な契約変更などを行っていなかった事案があわせて20件あったと発表しました。この問題について原子力担当の副社長ら2人の役員が責任を認め、今月30日づけで辞任することになりました。 中部電力によりますと、静岡県の浜岡原子力発電所で2013年2月から2019年5月にかけて行われた安全対策工事で、社内の原子力の担当部門が本来必要な調達部門との協議を行わずに仕様変更を取引先に依頼し、正式な契約変更や精算の手続きを行っていない事案があわせて20件あったということです。 2019年5月には取引先が正式な契約変更や精算を求め、協議を進めていましたが、原子力の担当部門は対応を先送りし、取締役会にも報告していませんでした。 この問題について、原子力本部長を務める伊原一郎副社長と原子力部長を務める名倉孝訓執行役員が責任を認め、辞任を申し出たということで、2人は今月30日付けで辞任します。 会社が調査を進めていますが、これまでのところ契約変更の手続きに時間をかけたくなかったことなどが理由とみられるということです。 未精算の金額は、20件のうち事実関係の確認が進んでいる7件だけでもあわせて数十億円程度になるということです。 会社は、工事はいずれも適切に施工管理されていることを確認しているとし、安全性に影響はないとしています。 中部電力の佐々木敏春副社長は会見で「ご迷惑とご心配をおかけし、心からおわび申し上げます。経営体制や執行体制を変更して、信頼される原子力事業であるよう努めていきたい」と陳謝しました。 中部電力 林社長「心からおわび申し上げます」 中部電力の林欣吾社長は27日開いた定例の記者会見で、「お客様、関係者の皆様にご心配をおかけしていることを心からおわび申し上げます。新たな執行体制のもと、浜岡原子力発電所の早期再稼働に向けて、内部統制システム、ガバナンスを適切に機能させ、皆様から信頼される原子力事業の運営に努めてまいります」と述べて陳謝しました。 また林社長は、浜岡原子力発電所3号機と4号機の再稼働の前提となる原子力規制委員会の審査に与える影響については、まだ分からないとしたうえで、「一日も早く内部統制システムおよびガバナンスを機能させて、ステイクホルダーの皆様から信頼される事業経営をするということが、いちばん大事なことだと思っている」と述べました。 浜岡原発 審査の現状は 静岡県にある中部電力の浜岡原子力発電所は、1号機から5号機までの5基があり、このうち1号機と2号機は2008年に廃炉にすることが決まっていて、中部電力は3号機から5号機の再稼働を目指しています。 3号機から5号機までの出力は合わせておよそ361万キロワットで、中部電力は3基のうち、3号機と4号機を先行させ、2014年から2015年にかけて原子力規制委員会に再稼働の前提となる審査を申請しました。 審査はこれまでに地震や津波の想定を中心に行われ、中部電力は想定される津波の高さを25.2メートルに引き上げ、すでに建設された「防波壁」の高さを、海抜22メートルから28メートルにかさ上げすることにしています。 このほかに、重大事故を想定した設備面の審査も行われています。 また、中部電力は東京電力福島第一原発の事故が起きた2011年以降、浜岡原発で安全対策の工事を進めていて、設備の耐震性の強化や電源や冷却設備の多重化などを進めています。 中部電力によりますと、浜岡原発では安全対策の工事に現時点で、全体で4000億円程度かかると想定されていて、このうち、昨年度末時点での累計の支出は2700億円程度だということです。 経産省 中部電力に原因など報告求める 今回の事態を受けて、経済産業省は、電気事業法に基づいて、中部電力に対し、詳しい原因や再発防止策などを来月26日までに報告するよう求めました。 これに対し、中部電力は、「取引先にご迷惑をおかけしていること、また地域の皆様にご心配をおかけしていることおわび申し上げます。今後、報告徴収に適切に対応してまいります」とコメントしています。 |
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