[2025_12_09_10]青森震度6強 震源域の隣接エリアでは過去にも大きな地震(毎日新聞2025年12月9日)
 
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青森震度6強 震源域の隣接エリアでは過去にも大きな地震

 11:07
 8日夜に青森県東方沖で起きたマグニチュード(M)7・5の地震は、東日本大震災の震源域の北、下北半島の東の沖合で海側のプレートが陸側のプレートの下に沈み込む境界で発生した海溝型地震だ。気象庁によると、震源の深さは54キロ。震源域に隣接するエリアでは、過去にも大きな地震がたびたび起きてきた。

 加藤愛太郎・東京大地震研究所教授(地震学)は「今回の震源を含む北海道沖から三陸沖にかけては、ここ数カ月にわたり複数の地震が起きていた。プレート境界の地震は深さ55キロ程度まででしか起きないが、今回の地震はその下限で起きたとみられる。プレート境界の深い部分の固着域が破壊されることで、浅い側にある固着域にひずみが加わったとみられる」と後発地震への注意を呼びかける。

 地震の規模から、今回破壊された断層の長さは100キロ程度、震源は1968年の十勝沖地震(M7・9)の北側の滑り域と一部重なるとみられるという。隣接する十勝沖地震と94年の三陸はるか沖地震(M7・6)の震源は、それぞれ前回の地震から時間がたっており、ひずみが十分蓄積していると考えられる。
 加藤教授は「少なくとも1週間、特に2、3日が最も連発しやすい時期なので警戒が必要だ」と話した。
 三陸沖では11月9日にもM6・9の地震が起きた。政府の地震調査委員会は、断層がゆっくりとずれて動く「スロースリップ」が発生している可能性を指摘。M7〜8級の大地震につながる恐れも指摘されていた。今回の震源とは距離があるが、京都大防災研究所の西村卓也教授(測地学)は「多少誘発された可能性も考えられる」と語る。

 西村教授は「この地域で地震が起こると続発しやすい性質があることが知られている。今後、同程度か、さらに大きな地震が起こる恐れがある」と警戒を呼びかけた。【垂水友里香、菅沼舞】
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