[2025_12_07_03]「1900度以上で溶融」 福島第1デブリ 原子力機構が分析(東奥日報2025年12月7日)
 
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「1900度以上で溶融」 福島第1デブリ 原子力機構が分析

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 日本原子力研究開発機構は、東京電力福島第1原発2号機で昨年11月に初めて試験採取した溶融核燃料(デブリ)の分析結果をまとめた。核燃料に含まれるウランに加え、他の金属の割合から生成過程を解析。核燃料は構造物を巻き込みながら少なくとも1900度以上の高温で溶け、冷え固まったと推定した。機構は「事故がどのように進展したのかを推定し、デブリの取り出しや内部調査の検討に活用する」としている。

 約0・7gのデブリを分割し、結晶構造や組成を分析した。燃料被覆管の成分であるジルコニウムの他、構造物の材料に使われている鉄やクロム、ニッケルを含んでいた。このため当初想定していた約2500度より低い約1900〜2400度で溶けた可能性があるとした。
 原子炉圧力容器内で溶けた燃料は制御棒を動かす装置などを巻き込みながら、容器を支える土台の底に落ちる過程で温度を下げ、1350度近くで固まったと推定した。
 その途中では固体と液体が混ざり、流動性があったとみられる。このため、同様の性質のものが取り出した場所周辺にも存在している可能性があるという。これまでの分析で採取したデブリには空洞があり、砕きやすい状態だと分かっている。
 機構は今回で当初計画していた初回採取分の分析を終了した。今年4月に初回より原子炉格納容器の中心部に近い場所から取り出した2回目のデブリは今後も分析を続け、初回分との比較を進める。
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